All Night - 葛谷葉子
https://open.spotify.com/intl-ja/track/50r03n7sbIE7An5fXCBdJZ?si=7d076bde5a96417e
葛谷葉子デビュー時アルバムの1曲。
まあ甘美な歌詞。繰り返しの多いシンプルなメロディー。それを包み込む鷺巣サウンド。リズム隊ももちろん良く、その上に縦横無尽に舞うように心情を描写するようなストリングスが素晴らしい。ほんまにいい。マジで好きなんすわ、鷺巣詩郎のストリングス。これぞメロウって感じ。 音の高低の少ないメロディーが続く分、ラスサビの全音上がる転調と、スキャットでの高音が非常に響く。心をかっさらってくる。
音楽的には、「恋すると」(1番歌詞)の「こ」の部分に注目したい。この部分のコードはGm7だが、メロディーはAb。第1拍表拍で短9度となっている。普通はこれは不協和音としてメロディーとしては避けられる音。だが成立している。むしろ心情の不安定さを表現しているように思える。その後の「それも」はBbで、協和音。Abからの流れで見ると、緊張→解決の流れで快感がある。歌詞的にも、とまどいからの解決で、合っている。ああ、こういう不協和音の使い方もあるのかと、勉強になってる。
アコースティックバージョンもある。こちらは、歌詞の心情のなかに溶け込むようなオリジナルとはまた違った味わいがある。当時の写真を見返しながら、思い出がたりしているようなそんな柔らかさを感じる。
https://www.youtube.com/watch?v=EorDTj6kPUQ